プロの学校

なんでもできる平均人(ジェネラリスト)より、これが強みだというプロフェッショナルを目指せ! プロの自分をつくる極意を伝授。 成長を続けるための「心・技・体」入門。

2014年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年11月

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ダイエー中内功氏の執念

ダイエー中内功氏の執念

昨日に続き、消えゆくダイエーについて思うことを
書かせて頂きます。

ダイエーの中内氏が、松下幸之助氏のパナソニックと
30年戦い続けたことをご存知でしょうか。

20141026110956cd4.jpg


1964年の東京オリンピックの年に、
ダイエーが、松下製品を20%引きで販売を行ったところから
両社の対立が始まりました。

これに対して、
松下電器は、ダイエーへの出荷停止措置をとり、
今度はダイエーが同社を独占禁止法違反の疑いで告訴し、
両社の争いは泥沼化していきました。

今でこそ、ディスカウントが当たり前となり、
中内氏のこうどうは、先駆的であったということです。

中内氏の哲学は、

ダイエーの存在価値は、
既存の価格を破壊することにある



として、流通革命に執念を燃やし続けました。

両社が正式に和解したのは、なんと30年後の1994年です。

なぜ、中内氏はここまで、
執念を持って、流通革命を続けたのでしょうか。

この執念の原点は、戦争の体験にあります。

日経新聞の私の履歴書の冒頭で、こう書いています。



日本は太平洋戦争に負けた。
私はフィリピンの北部の山中で、
大日本帝国陸軍の軍曹として敗戦の日を迎えた。
自分の目の前で多くの戦友が死ぬのを見た。
「突撃」の一言で勇敢な人ほど死んでいった。
自分は卑怯未練で生き残った。
そのことへの後ろめたさを心に抱いて、今も生きている。

この体験を基に、私は日々の生活必需品が安心して買える社会を
つくることを戦死した人々に誓った。
それを途中で投げ出すわけにはいかない。


ダイエーは、この戦争体験を基に、
生活必需品を安く安心して買える社会をつくることを戦死した仲間に
誓って始めたビジネスだったのです。

だから、命がけで取り組む戦争だったのです。

その中内氏は、
日本で最初に自らを「CEO」、
すなわち最高経営責任者と名乗った経営者です。

中内氏はこう言います。

社長や部長といった『長』と呼ばれる人間になっても、
そんなもんはどこにでもおる。
石を投げたら大体『長』の名刺を持っとる奴に当たるもんや。

むしろ『者』の付く人間にならなあかん。
芸者、役者、経営者、学者、みんな誰でもなれるもんやない。
芸者でも役者でも、お座敷や舞台にお呼びがかからんようになったら引退や。
経営者も一緒やで。体張ってやってるから魅力的なんや。




者と付く人は、プロです。

プロとは、

一つの仕事について精通して、極めた人であり、
その道で一流になろうしている人
です。

私たち営業の世界で言えば、「者」と付く人になるとは、
商談者になることです。

中内氏のように、執念を持って、
商談のプロを極める姿勢を持ちたいものです。


天崎 拝
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消えていくダイエーに思うこと

消えていくダイエーに思うこと

20141026110956cd4.jpg


イオンは傘下のスーパー、ダイエーを来年1月1日付で
完全子会社にすると正式に発表しました。

これにより東証1部のダイエーは12月26日付で上場廃止になり、
ダイエーの屋号もついに消えてゆくこととなります。

戦後の日本に、流通革命を起こした中内功のダイエー帝国が、
完全消滅する。このことは、スーパーマーケットの時代が終わる象徴的出来事です。



西のダイエーに対して、東のイトーヨーカドーは、
なぜ、厳しい中でも今も生き残っているのでしょうか。
ダイエーとヨーカドーの成否を分けたものは何なのでしょう。

ダイエーは、過剰な借り入れをしてでも、土地を所有して店を作り、
ヨーカドーは、逆に建物を賃借して店を作ったところだと言われています。

実際、
中内氏の書いた「わが安売り哲学」で、

店を出すときには必要面積の倍の面積を買い、
店を開店してから余った分を売る。
そうすれば、ダイエー開店後の隣地は商業地として利用価値が上がり、
余剰の土地は大幅に値上がりしているから、膨大な差益が出る


と豪語していました。

つまり、
ダイエーは、デベロッパーを本業にし、
ヨーカドーは、あくまでも小売業としてのビジネスに徹していた
という違いだというのが定説であり、それは事実なのでしょう。

しかし、もう一つ大きな違いがあると思います。

ダイエーは、どんどん新たな地域に新店を作ることを最優先にしていました。
大型店舗を出して売上が上がると、そこから上がる利益を次々に新たな地域に
投下して進出していくことを続けたのです。

1990年ごろまで、驚異的な出店ラッシュが続きますが、
一方で、既存店は、どんどん老朽化し、時代遅れになり、
かつての一番店は、他社に顧客をとられ、結果、赤字に転落した訳です。

ダイエーの経営再建にあたって、赤字店の閉鎖が最大の問題になっていましたが、
そのほとんどすべてが一度つかんだ顧客を他社に奪われ、
マーケットを守り抜けなかった店舗でした。

イトーヨーカドーは、その真逆をやっていました。
ヨーカドーは、一度掴んだ顧客を徹底的に守り抜く執念があります。

例えば、足立区の亀有をターゲットにして、
イトーヨーカドーは、4回もスクラップ&ビルドを繰り返して、
最先端の大型店に変え続けました。
一度店を出して、いいマーケットだと判断した地域は、
絶対に手放さず、地域を永遠に自社の商圏として確保しようとする
地域一番店への執念があるのです。

『目先の利益』を追わず、短期の利益を犠牲にしても長期の利益を求める
という堅実な経営であり、スクラップ・アンド・ビルドを続けながら
増益を続けることのできる体質をつくった
のが、本当の勝因なのです。

既存顧客を深掘りするところが、ユニクロのチェーンストアをやめて
個性的な店づくりをして、地域一番店を目指すという、
農耕型経営への戦略転換とよく似ています。

私たちも、新規開拓を続けて既存顧客を増やし、
中長期的に既存顧客を耕していく、狩猟型経営と農耕型経営の合わせ技で、
成長していける組織づくりが必要のなるのはないでしょうか。


天崎 拝

| プロフェッショナルマネージャーの作法 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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小渕優子氏にみる逆境の活かし方

小渕優子氏にみる

逆境の活かし方



小渕優子経済産業相が政治資金の運用を巡って
辞任に追い込まれました。

周知のように明治座における支援者向け観劇会での
不明朗な会計がその理由です。

20141026105641d02.jpg


費用の収支を巡って2600万相当の差額があり、
これが公職選挙法あるいは政治資金規正法に抵触する可能性が高いということです。
「これで小渕も終わりだ。」と言われています。

ここで、大事なのは「不祥事の後始末」でしょう。

事実それ自体よりも、これに対してどう対処したか、
パフォーマンスしたかの方が問題となります。

つまり、
不正のあるなしにかかわらず、
こういった問題が発生している時点で、
本人がどう立ち振る舞うかが大きなポイントとなるのです。

そして、
スキャンダルといった「負の側面」が、
かえって本人をクローズアップさせ、
結果として「負を正にかえる」といったマジックへと
転ずることすら可能になるのです。

小渕氏は、こういった「負を正に変える」という
メディア戦略としては、ほぼ満点ともいえるような対応を行っています。

ここから、小渕劇場のはじまりと考えることもできます。

資金不正運用疑惑が発生し、
メディアから追いかけられ、まずやるのが「疑惑の否定」です。

否定パターンは、

1.事実や疑惑を提示されても、本人は知らないと突っぱねる
2.言い訳をする
3.支援団体や事務所のミスと言及し、本人は知らなかったとその潔白を訴える。

しかし、これらはパフォーマンス的には最低です。
事実はどうであれ、保身のために徹底的に責任回避しよう
としている点=メディア性がクローズアップされてしまい、逆効果になり、
「あやしい」「誠実さに欠ける」といったイメージを作り上げてしまいます。
結果として、
「無責任」「嘘つき」、「ごまかしている」、「身内に対する誠実性がない」
といった印象となります。

ところが、
小渕氏はこの全てをやりませんでした。

まず、「知らない」とは決してコメントしていません。
むしろ「知らなかったでは、済まされない」と自らツッコミを発しています。
つまり、
「事実関係はわからないが、私には責任がないとは言っていない」
という意味合いが含まれています。

しかし、相手がでは、全く「言い訳」をしていません。
これは、ほかの大臣のこの手のツッコミに関する返答とは好対照です。
とりわけ、大臣の不祥事に対する弁明とは明瞭なコントラストを
示しこの問題に逃げることなく、
つまり言い訳することなく、真摯に取り組むというイメージを形成しています。

そして、
その後、支援団体の事務上のミスだったと
市長が辞任しました。

つまり、
小渕氏自体はこういった地元での政治活動を支援団体に任せており、
その支援団体は元はといえば父親・小渕恵三の支援団体です。
古い自民党の体質をそのまま引き継ぎ、
その上に小渕優子氏が乗っかっていただけでしょう。

責任を転嫁していなかったので、
たとえ支援団体等のミスであったとしても、
身内を庇い、自分の責任として引き受けるという
パフォーマンスになり、大臣を辞任しても、
さらには国会議員を辞任したとしても、
地元の信頼はむしろ高まっていくでしょう。

だから、
たとえば一旦議員を辞して謹慎し、
次の選挙で禊ぎが済んだということで再出馬すると、
今度は前回以上の票を獲得してしまう現象が起きるでしょう。

先生は何も知らなかったのに、
支援者たちの不祥事を自ら被ってお辞めになったわけで、
支援団体の方は、先生に責任を負わせてしまった罪滅ぼしを
しなければということで、いっそうの忠誠と絆を強めていくでしょう。

このような流れを意図してというより、
むしろ自然体で行っている小渕氏には、
大物政治家の可能性を感じざるを得ません。

危機との対峙の仕方、その対処法について、
学ぶべきところがあるのではないでしょうか。


天崎 拝

| プロフェッショナルマネージャーの作法 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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代ゼミの戦略転換にみる不動産の経営上の価値

代ゼミの戦略転換

にみる不動産の経営上の価値



代々木ゼミナールが、27校中20校閉鎖は、
少子化による受験者減少が原因も大きな要因ですが、
それだけではありません。

三大予備校とは、
駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナール。

生徒数や事業展開の規模で他の中小予備校を圧倒していました。

少子化で受験者数が減ってきたことは、共通の問題。

「河合塾」は健闘しているのに、なぜ代ゼミは凋落したのでしょうか。

上位の予備校・学習塾は、
第一位河合塾、2 位公文、3 位栄光ゼミナール、
4 位東進ハイスクールと続き、
小クラス・個別指導重視の予備校・塾が上位を占めています。

東進ハイスクールは、
93校の直営校以外に東進衛星予備校909校の地方の塾と
FC契約を結んで映像授業で全国展開し、
今でしょの林修先生など実力のある講師
の授業を映像にしてFC校の10万人の生徒に提供しています。

明らかに、流れは、個別指導による教育サービスのニードが強くなっています。

中高一貫校が増加し、高校の中で受験準備する現役合格志向に
なっているが代ゼミは、浪人中心の数百人定員のマスの集合教育を続けていたのです。


少子化と現役志向の高まりという時代の流れは、
決して変えることはできません。
本業の方向転換はまったなしの状況です。

しかし、
本業が縮小していく中で、資産総額は4407億円。
一等地にビルを持っていることが強みに変わります。

20141026103405bc9.jpg


すでに京都校別館は改装して「ホテルカンラ京都」に、
東京・代々木にある旧校舎跡地は商業施設「代々木VILLAGE」となり、
存続する名古屋校も複合施設として建て替え中です。

本業をリストラで苦労する反面、不動産事業が育ち、
全体としては収益拡大のチャンスが広がっているのです。

閉鎖する拠点は、大都市の一等地の校舎が多く、
用途転換を進めていくようです。
ドン・キホーテなど小売業を中心に、話が進んでいます。

創業者の高宮行男氏は、
1980~90年代、札幌や福岡、広島といった地方都市の駅前一等地に、
巨大な予備校の校舎を次々に建設しました。

「将来、少子化になったらどうするのか」

という質問を投げかけられると、

「浪人生がいなくなったら、ホテルにすればいい」

と笑って答えたそうです。


今後の代ゼミの方向転換は、不動産が本業のピンチを救う、
あるいは本業そのものを変えるという大きな事例となるに違いありません。


天崎 拝



| プロフェッショナルマネージャーの作法 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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無意識の権力を意識せよ。

無意識の権力を意識せよ


我が師、田坂広志多摩大学院教授から、
毎週、風の便りというショートメールを
頂いております。

非常に短いメッセージの中に、
深く、そして広い意味が込められています。

まさに、言霊というべきものでしょう。

今週のテーマは、


「無意識の権力」

です。

まずは、ご一読下さい。

20131130133143256.jpg


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

無意識の権力

 政治の権力について
 しばしば語られる小話があります。

 ある国で、軍事クーデターが起りました。
 クーデターの首謀者である将軍は、
 民政を倒して独裁体制を敷いたのですが、
 そのクーデターを国民が支持しているかが
 気になりました。

 そこで、その将軍は、年寄りの労働者に変装し、
 人々の集まる映画館に行ってみました。

 映画の前のニュース放映のとき、
 最近のクーデターが報道され、
 画面に、戦車に乗った将軍が登場しました。
 すると、映画館にいた観客は全員総立ちになり、
 将軍を誉め讃える拍手を送ったのです。

 満場の観客が拍手する姿を見て、
 「このクーデターは、国民から支持されている」と
 感激して椅子に座り込んでいた将軍に、
 隣で立って拍手をしていた若い労働者が、ささやきました。


  おい、じいさん、拍手しな。

  拍手しないと、殺されるぜ。


 思わず笑いを誘う、この小話。

 しかし、一人のマネジャーとして
 この話を読むとき、
 それが、政治についての風刺であることを超え、
 マネジメントについての警句であるように
 思えてきます。

 なぜなら、

 マネジャーが無意識に振り回す権力

 それは、しばしば、メンバーから、
 自分の好む意見を引き出してしまうからです。

 田坂広志

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

裸の王様という童話がありますが、
裸のマネージャー、裸の経営者も
現実社会では存在するということです。

ひょっとすると
ミーティングで、

「おい、ちゃんと拍手しな。
拍手しないと、クビにされるぞ。」

などといいうことが、
起こっているかもしれません。

田坂氏はそれを、

マネジャーが無意識に振り回す権力

と呼んでいます。

一般に、社内では、
上司を名前ではなく役職で、
「部長」などと呼び、
また、上意下達のトップダウンの
コミュニケーションが当たり前になります。

そして、
メンバーの声に耳を傾けることなく、
組織内の空気を感じなくなった時、
マネジメントは、
マネジャーが無意識に振り回す権力
に変わってしまうのでしょう。

組織の中にあるメンバーの心の動き、
心の生態系をいかに把握し続けるかが、
マネージャーの重要な仕事なのです。

天崎 拝



| 田坂広志に学ぶプロフェッショナルの哲学 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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獺祭の逆境経営に学ぶ

獺祭の逆境経営に学ぶ



獺祭(だっさい)という
日本酒を知っていますか。

20141019181059d17.jpg



旭酒造という酒蔵の酒です。
山口県岩国市の山奥で、
1770年創業の小さな酒蔵。

 
この「獺祭」という酒は、
テレビCMもなく、
量販店やコンビニでは売っていません。
東京の日本料理屋でしか見かけません。

酒の銘柄はただひとつ、獺祭のみ。

しかし、
2013年、「獺祭」の出荷数量は、
純米大吟醸では全国トップ。

この一ブランドを磨き上げて、
海外展開を始め、すでに約20ヵ国で
販売しているのです。

何故、この田舎の造り酒屋が、
これほど成長したのでしょうか?

旭酒造の三代目、桜井社長は、
父親から勘当され、
酒蔵を追い出されていましたが、
父親の死とともに後を継ぎました。

しかし、
折からの焼酎ブームにおされ、
日本酒市場は縮小して、
売上は急減し、潰れかけていたのです。

そこで、
瀬戸際に立った櫻井社長は、
こう考えました。


死ぬか生きるかだ。
だったら、やれることをやってみよう。

目の前にある常識をすべて疑い、
まったく新しい旭酒造に生まれ変わろう。

瀕死の状態ならば、
失うことを恐れる理由などない。



そして、
背水の陣で何もかも変えることを決めたのです。

まず、小さな酒蔵であることを
どのように強みにしていくのかを考えました。

小規模な仕込みでないと高品質が、
保ちにくい大吟醸に切り替えて、
クオリティーの高い大吟醸を
それなりの価格で提供するよう方向転換したのです。

しかも地元では勝てないので、
遠く離れた東京の都心部で展開することに決めました。

つまり、
勇気を持って、
「普通」であることを捨てたのです。



ちなみに、
『獺祭 磨き その先へ』
という選りすぐりの酒は、
720mlで、32,400円もします。

201410191811012c0.jpg


そこそこ、いい酒の越乃寒梅の大吟醸でも、
4000円弱なので、破格に高い価格です。

それでも、2ヶ月待ちの状態で、
クオリティーの高いブランドになっています。

しかし、
ここに至るまでには、
相当の苦労がありました。

日本酒の仕込みは、
どの酒蔵でも伝統的に杜氏という職人が
仕込むものと決まっています。

ところが社内改革に反対して、
杜氏がやめてしまったのです。

新しい杜氏を雇って、大吟醸造りを始めるが、
たくさんの失敗を繰り返し、

結局、
今の杜氏に任せていても
大吟醸はできなかったのです。

そしてついに、
「酒造りに対する権限は杜氏が持ち、
経営陣は口を出さず販売に徹する」
という日本酒業界の掟を破って、
「技術情報は社長が集めて、
社員でそれを実行する」
という生産体制に切り替えます。

清酒業は、伝統的に杜氏という
職人文化によって支えられてきたものを、
杜氏がやっていたことを集団で行い、  
データによる管理を始めました。

職人技をどこまで、社員が再現し、
マニュアル化、数値化できるか、
ということを徹底していきます。

これは、
清酒業の何百年の歴史の中で、
誰もやったことのない革命でした。

伝統的な既成概念を打破しており、
相当に批判も受けました。

そして、
美味い酒造りの本質は変えることなく、
何が何でも守り抜く。

一方で、その大事なものを守り抜くために
変わることを恐れないという、
新しい伝統を築こうとしたのです。

当たり前だが、
100年企業でも、
何もしなければ、事業は継続しないものです。

美味い酒を造るという本業は変わらなくても、
その中身は常に進化し続けているということです。

セールスも同じで、
それぞれのセールスには技があり、
ある意味職人芸的なものがあります。

しかし、
その人しかできないとなると
組織は強くならないし、拡大もしないのです。

職人技のスキルをどれだけ言語化できるか、
どこまでデータ化や視覚化し、
皆が吸収できるか、
を考えていく必要があるのです。



天崎 拝 


| プロフェッショナルマネージャーの作法 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アンバサダーという戦略を考える

アンバサダー

という戦略を考える




オフィスで飲むコーヒー。

ネスカフェというブランドは、皆知っているでしょう。

ネスレは、インスタントコーヒーの会社です。

しかし、オフィスでコーヒーを飲みたいと思えば、

近くのコンビニや、自動販売機でコーヒーはすぐ手に入ります。

今時インスタントコーヒーは、家でも飲む機会が減っています。

しかも、スタバなどの普及でラテやカプチーノなど

さまざまなメニューが一般的になったのに、

従来のインスタントコーヒーをアレンジできません。


ネスレは、2009年にインスタントコーヒー専用のコーヒーマシン

「ネスカフェバリスタ」を出しました。

バリスタでは、ゴールドブレンドのカートリッジをセットし、

タンクに水を入れてボタンを押すだけ。

これで、ゴールドブレンドをいちばんおいしい状態で飲めるのです。

ラテなどのメニューも簡単に作ることができてしまいます。


20141019174147d50.jpg



このネスレ日本の導入戦略が非常に面白いのです。

このマシンは、もともと1台1万2800円と割安でしたが、

2011年には9000円に値下げし、実売は7000円まで下げました。

マシンでは儲けず、バリスタを浸透させたいので、廉価販売したのです。

では、ネスレは、どこで儲けているのでしょうか? 

その秘密は1杯当たり20円のコーヒーカートリッジです。

これは、ヒゲそりやプリンタのマーケティングに似ています。

替え刃やトナー・インクと同じように、

1杯20円のコーヒーカートリッジを売ることが目的。

これはジレットモデルと言う古典的な戦略です。

これをまず、個人向けに発売しました。


しかし、ネスレの戦略は、さらに一歩先を行きます。

このコーヒーマシンを、オフィスに無償で貸し出しています。

それが「ネスカフェ アンバサダー」です。

ネスレのシェアは家庭向けが37%、

オフィス向けを含む家庭外は3%しかありません。

オフィスはネスレにとって未開拓の市場。

オフィスには入る隙がなく、

ここでネスレは、大胆な決断をしたのです。

「オフィスで仲間と、ネスカフェを飲みたい」

という人に手を挙げてもらい、

「ネスカフェバリスタ」をただで貸与することにしました。

オフィスの中で、ネスカフェのコーヒーを自ら周囲に広める「親善大使」

つまり、紹介者にした訳です。

カートリッジの代金は、本人が、個人のクレジットカードで立て替え払いし、

コーヒー代をオフィスで集め、「ネスカフェ」を通販で購入する

極めて日本らしい善意の集金システムです。

だから、企業とは交渉せずに、

個人の紹介でオフィス市場を攻略するビジネスモデルとなったのです。

ちなみに、現在アンバサダーは14万人。

1人のアンバサダーの周りで、仮に1日10杯のコーヒーが飲まれているとすると、

1日で140万杯。

1杯が20円なので、1日2800万円。年間102億。

これは、スタバ84店舗分の年間の売上に相当する規模です。

(スタバは1034店舗。売上高は1257億円。)

店舗も、人件費もかからず、経営できるというのは、すごいことです。


私たち営業の世界でも、これは学ぶべきものです。

電話営業で、山ほど電話して、アポイントをとること考えると、

私たちの仕事でも、紹介1人は、相当数の電話架電数に当たります。

既存の顧客を自社のアンバサダーにして、

お客様の周りにいる経営者や、資産家の方をご紹介頂いて、

新規顧客を開拓し売上を上げていくことは重要です。


顧客をアンバサダーに育てる、

というのは、顧客を見方にし、

ブランド力をさらに強める素晴らしい戦略なのです。


天崎 拝

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我が師の言葉 『才能を生かす才能』


才能を生かす才能




我が師、田坂広志多摩大学院教授から、
毎週、風の便りというショートメールを
頂いております。


20131130133143256.jpg



非常に短いメッセージの中に、
深く、そして広い意味が込められています。

まさに、言霊というべきものでしょう。

今週のテーマは、


「才能を生かす才能」

です。

まずは、ご一読下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 学生時代、
 演奏家としての道を志す友人がいました。

 まだ無名の時代に、
 彼が、呟くように
 語っていた言葉を思い出します。


  自分の才能を信じられなければ、
  この道は歩めないよ。


 その友人と、二十年の歳月を経て、会いました。
 彼は、演奏家として、
 すでに、社会的な名声を得ていました。

 久しぶりに聞いた演奏に感銘を受け、
 昔を思い出し、彼に言いました。


  君には、やはり才能があったのだね。


 その言葉に対して、
 彼は、ためらいながら、語りました。


  自分には才能がある。
  そう思ってしまうことが、
  怖いことなのだね。


 二十年の歳月を経て語られた
 正反対の二つの言葉。

 その言葉を前に、思います。


  己の才能を、信じるべきときに、信じ、
  過信すべきでないときに、過信しない。


 そのバランス感覚こそが、
 才能を生かす才能、なのかもしれません。


 田坂広志


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人それぞれ、
何かしらの才能を持ち合わせています。

その才能を活かせるかどうかは、
その人の生き方次第。

音楽家は、音楽家の道を、
プロスポーツ選手は、
スポーツの道を歩みます。

己の才能を信じて、
前へ前へ進み、
そして道を極めていきます。

しかし、
己の才能を、
信じるべきときに、信じ、

しかも、
過信すべきでないときに、
過信しない。

それが、
才能が才能を生かす
なのでしょう。


天崎 拝

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10/02のツイートまとめ

HideoAmazaki

RT @kinimanabebot: 山の土の質によって材質が決まる。これは柱に向いているしということを見分けて、生きたままで見当をつけておいて伐採してもらう。せやから、この1300年の寿命があるんやと思いますよ。《動画版》法隆寺宮大工西岡常一棟梁の口伝(其の漆)htt…
10-02 00:15

"@india_meigen: 歴史を読むのは楽しみだ。だが、それよりもっと心を引き、興味があるのは、歴史を作ることに参加することだ。ネルー"ーひとに歴史あり。
10-02 00:13

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