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仏教に学ぶ、プロフェッショナルの心得 最終回 、道元


仏道を習うというは、自己を習うなり。

自己を習うとは、自己を忘るるなり。

自己を忘るるとは、

万法に証せらるるなり。

万法に証せらるるとは、

自己の心身および他己の心身をして

脱落せしむるなり。

正法眼蔵、現成公案




道元(どうげん)は、鎌倉時代初期の
日本曹洞宗の開祖であり、
日本における禅のあり方を確立した高僧です。

道元の著書『正法眼蔵』は、
仏教の真髄を意味し、
悟りの体験を通じて
釈迦以来続く、正統派の仏法が解かれています。

道元を初めとした禅の教えについては、
私の親友である、小森谷浩志氏が造詣が深く、
私が禅に興味を持つきっかけとなったのも、
彼からの学びのおかげです。

小森谷氏は、禅問答を経営に活かすことを
テーマのひとつとしており、
著作などでもそれについて触れています。


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小森谷 浩志

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道元は、中国での修行時代、
夏安吾という毎朝3時から夜11時まで
百日間座禅を続けるという過酷な修行に参禅しました。

そこで如浄禅師が一喝した、
「参禅はすべからく心身脱落なるべし」
という言葉で、悟りを開いたそうです。

心身脱落とは、
一切の捉われを離れて見れば、
全てのものが自由である、
そうすれば
仏も、俗人も、修行も何もない、
生きているその瞬間が、
仏の姿そのものである
ということを悟ったわけです。

帰国して、中国の僧堂を模範とした
本格的な禅院である、興聖寺を開き、
その後、永平寺に移り、
坐禅の仏法を説き続けました。

その中で書かれたのが、『正法眼蔵』です。

正法眼蔵の「現成公案」にこの言葉があります。


仏道を習うというは、自己を習うなり。
自己を習うとは、自己を忘るるなり。
自己を忘るるとは、
万法に証せらるるなり。
万法に証せらるるとは、
自己の心身および他己の心身をして
脱落せしむるなり。


仏業修行とは、自らを修めることである。
自らを修めるとは、自分を忘れること、
すなわち自分の中の自我意識、エゴを
捨てることである。

そして、自我意識、エゴを捨てるとは、
真実をあきらかにすることである。

真実を明らかにすることは、
自己の心身も、
自己以外全てのものにも、
一切捉われないことである。
そうすると、ついに悟りを得ることができるが、
そのことにも捉われなくなった時、
初めて悟りが身についてくるのだ。

道元の言葉をプロフェッショナル
への道に置き換えると、
道を極めようとするならば、
まず自分自身自身を修めること。
つまり、自分自身の心構え、姿勢を
しっかりと整える必要があります。

その上で、己を成長させるための修行、
仕事や日常での修行を重ねてゆかねばなりません。

仕事や日常の修行を通じて、
悟りを得るところまで極めるには
どうしたらいいのでしょうか。

それは、まず心の中に、
己の求めるものをしっかりと持つこと。
目指すべきもの、志、目標と言ってもいいでしょう。

そしてそこに心を集中して、
真剣に打ち込むことです。

本当に真剣に打ち込んでいる時、
人は我を忘れ、時間が経つことも忘れ、
夢中になってゆきます。

これを心理学者のチクセントミハイは、
フロー状態といい、
スポーツの世界では、
ゾーンに入るとも呼んでいます。

この状態で、心を集中させてゆくと
求めるものが見えてきます。
それが、真実を明らかにすることであり、
悟りを得るということなのだと思います。

プロ野球のイチロー選手や松井選手、
また将棋の羽生名人、古くは、
茶道の千利休、能の世阿弥など、
道を極めたプロフェッショナル達に
共通して、歩んでいる道であると思います。

禅でいう、自由自在、自然という言葉は、
この悟りに到達した先にあるもの。
すなわち、悟っても驕らず、
ひたすらそれを行じてゆくこと、
それが身につき、自然となることを
言っているのだと思います。

道元の

仏道を習うというは、自己を習うなり。
自己を習うとは、自己を忘るるなり。

という言葉は、
まさに仏道を極めたひとりのプロフェッショナル
の言葉であり、生き様であると感じます。


参考、公方俊良、正法眼蔵を読む

『正法眼蔵』で生きる智慧―道元禅入門・珠玉の言葉56『正法眼蔵』で生きる智慧―道元禅入門・珠玉の言葉56
(2008/11)
公方 俊良

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