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マクドナルド原田CEOに学ぶ、戦略のシーケンス5

マクドナルド原田CEOに学ぶ、

戦略のシーケンス5



戦略のシーケンスは、

切れ目なく続く



ここまで、4回続けて
マクドナルド原田CEOに学ぶ戦略のシーケンス
について書いてきました。

2013年2月に前年の決算説明会で、
7期ぶり営業減益が発表されました。

image_20130629235641.jpg


原田社長は、

2004年から11年まで既存店売上高は、
8期連続プラスの業績だった。
12年12月期は9期ぶりに減収減益で終わった。
今年は増益を目指すということだ。

と語っています。

営業減益決算となるのは、
05年12月期以来7年ぶりです。
既存店売上高も前期比96.7%と、
原田氏が04年にトップに就任して以来、
初の減収に転じたわけです。

店舗数をみると、
出店101、退店119(前期は各101、105)、
12月末店舗数3280と、減らしています。

今回の営業減益の最大の要因は、
値引き戦略の行き詰まり
と高価格商品の不振
であると考えられます。

マクドナルドは、
これまで100円コーヒーや100円マック、
値引きクーポンなどで顧客を集めて、
顧客数を確保してきました。

そして、
リピーターには、
600円台のセットメニューなど
高価格商品を売り込む戦略で、
売上高を伸ばしてきました。

原田氏が社長に就任した04年以降、
05年「えびフィレオ」、
07年「メガマック」、
08年「クォーターパウンダー」といった
高価格商品を投入し、
既存店売上高はプラスを維持してきました。

これはまさに、
戦略のシーケンス、ストーリーある
打ち手の順序の成功事例でした。

しかし、
10~11年の「ビッグアメリカ」
ハンバーガー投入後から、
高価格商品は勢いを失い始めてきました。

特に、
12年夏の、世界のご当地バーガーを
複数販売した「世界の★★★マック」
キャンペーンは売れ行き不振から、
開始わずか2週間あまりで、
セット価格を100円近く値下げせざるを
得ない状況に陥りました。

これは夏場の不需要期に、
このような大型商品を投入するという
マーケティングの失敗であり、
また、未だ消費低迷が収まっていない中での
行き過ぎた高価格戦略の失敗でもありました。

また、
新規客を呼び込むための低価格商品についても、
100円メニューの拡充に加え、
集客増を狙った値引きキャンペーンを多用し過ぎた点も
見過ごせません。

image_20130629235448.jpg


たとえば、ビッグマック(300円前後)を
200円にする割り引きキャンペーンは、
07~09年に1回実施しただけでしたが、
10~12年では5回も実施しています。

そのおかげで、
集客効果はあったものの、
その後も単品購入にとどまってしまい、
高価格商品の拡販には結びつきませんでした。

一番の売れ筋商品を多頻度ディスカウントして
集客するというのは、決して良い戦略とは言えません。

結果として、
10年以降、客数は伸び続けるものの、
客単価の下落が続いています。

客数増加を前提に、行き過ぎた低価格で
集客を図るという戦略にはストーリーを感じません。

残念ながら、マクドナルドには、
マクドナルドの値ごろ感というものがあると思います。

マクドナルドの本来の顧客は、
500~600円のセットメニューを
求めているように思います。

ところが客数と利益を稼ぐために、
100円商品や無料配布を拡充して、
700円台のセットメニューを投入しても、
それには目がいきません。

結果、700円の高価格メニューは伸び悩みました。

結局、
100円マックは、本来の顧客ではない人、
あるいは、商品が欲しくない人にまで
売り込んでいるように見えてなりません。

2013年12月期の見込みを
売上高2695億円(前期比8.6%減)、
営業利益252億円(同1.7%増)としています。

これをFC化や閉店の推進により減収ながらも
増益を目指すとしています。

しかし、
既存店浮揚策の切り札として1月に実施した、
商品を60秒以内に提供できればコーヒー無料券、
できなかったらビッグマックなどの無料券を配る
「ENJOY!60秒サービス」キャンペーンを展開したが、
1月の既存店売上高は83%と空振りに終わりました。

その後の過去のヒット商品をそろえた
「ビッグアメリカオールスターズ」や、
無料配布に頼った「フリーマンデー」なども
結果的には、精彩を欠くものとなっています。

果たして今後も、
従来型の無料クーポン券の配布や
FC転換の推進でこの先を乗り切ることが
できるのでしょうか。

また、2014年、15年には連続消費増税という
厚い壁が待ち構えています。


原田社長は、こう言っています。


インテンションとエグゼキューションには、
隔たりがあります。

それを埋めていくのが、
組織と人の成長エンジンなんです。

経営というのは、
大きな組織集団を動かすことです。
動かすためには、コミュニケーションが必要です。

一番大切なことは、
複雑なことをシンプルに伝えて、
どのように期待する行動に結びつけていくか
という視点です。

確かに、
インテンション、やりたいことを
すぐに実行、エグゼキューションできる
機動的な企業はそれほどありません。

再び高成長路線に復帰できるのか、
マクドナルドの戦略のシーケンスは、
まだまだ続きます。

冷静な論理と熱い情熱の持ち主、
原田社長率いるマクドナルドの戦略は、
いったいどこに向かうのでしょうか。


天崎 拝



◆今日出逢った素敵な言葉◆

インテンションと

エグゼキューションには、

隔たりがあります。




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