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イノベーションの作法 11.戦略ストーリーを描け

イノベーションの作法

11.戦略ストーリーを描け




今日も再び、
イノベーションを生み出す、
関係づける力について触れたいと思います。

スティーブ・ジョブズ氏は、
大学時代にカリグラフィーを履修したことが、
後に、マッキントッシュにおいて、
さまざまな美しいフォントを整備し、
文字の間のスペースを調整するといった
大きなイノベーションへとつながってきた
という経験があります。

20131001081258e3b.jpg


ですから、

点と点は、あらかじめ予定できることではない、
後から繋がってくるのだ


と考えたのです。

しかし、
その点を見事に結びつけながら、
一大ビジネスを築き上げた
日本人がいます。

日本テレビ草創期からのプロデューサー、
井原高忠氏です。

2013092708545393b.jpg


井原氏は、『巨泉・前武のゲバゲバ90分!』
『11PM』、『スター誕生!』、『うわさのチャンネル!』
『24時間テレビ』などの日本のテレビ番組だけでなく、
アメリカに渡り、『ペリー・コモ・ショー』、
『エド・サリバン・ショー』なども手掛けた
天才肌のプロデューサーでした。

20130927085452f4f.jpg


楠木建教授は、
その著書『ストーリーとしての競争戦略』
でも伊原氏について触れています。


ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
(2010/04/23)
楠木 建

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伊原氏は、日本テレビで、
新たな斬新な番組をどんどん打ち出してゆきましたが、
その中で秀逸な物語があります。

当時渡辺プロダクションが、
テレビ業界で絶大な権勢を振っており、
バラエティや音楽番組には欠かせない存在でした。

ところが、NTV紅白歌のベストテンという
看板番組の裏で、ナベプロが新番組を始めること
になったのです。
もちろん『紅白歌のベストテン』には、
ナベプロのスターたちもたくさん出ていました。

同じ時間帯にナベプロ主導で歌番組をつくる
ということで、ほとんどのスターは、
全部そちらにとられてしまうことになります。

当時ナベプロのスター抜きには、
音楽番組は成り立たないというのが常識でした。
困った井原氏は、ナベプロに交渉に行きますが、
返ってきた答えは「いやなら『紅白歌のベストテン』
の放送日を変えろ」という答えでした。

普通なら、放送日を変えてしまうはずです。
ところが、伊原氏は、

芸能プロダクションの言いなりに
なる必要はない、
対等の関係でなければ、
いい番組はできない


という信念を持っていました。
そして、結局ナベプロとは決別することになります。

ここから井原氏の戦略がスタートします。
ナベプロを使わずしてナベプロに勝つという
戦略ストーリーを構想していきます。

まずは、
『スター誕生』という番組を使って
新人をどんどん発掘していき、
デビュー後に、日本テレビのありとあらゆる
音楽番組に出演させていきます。

2013092708575610d.jpg



さらに、そのレコードの出版権は、
日本テレビの子会社に持たせ、
版権ビジネスとも連動させていきました。

この『スター誕生』をトリガーとしたストーリーは、
ナベプロ以外の弱小プロダクションとの
ウィン・ウィンの関係で進められました。

つまり、
この番組から誕生したスターを、
ホリプロやサンミュージック、
田辺エージェンシーなどのナベプロ以外の
プロダクションに分けていきました。

こうした芸能プロダクションは、
王者ナベプロの支配の陰で苦労していたわけで、
この新人の供給は渡りに船の好機となりました。

井原氏は、さらに「日本テレビ音楽祭」を開始し、
レコードの売上や歌唱力にいっさい関係なく、
日本テレビに一番貢献のあった人に贈る賞まで
つくってしまいます。

この間徐々に、渡辺プロが下り坂になり、
井原氏の点を結んでゆくストーリーの勝利
となったわけです。

飛ぶ鳥を落とす勢いのナベプロのスター
という「飛び道具」なしに、
歌謡番組を創り上げていくプロセスは、
まさに絵に描いたようなイノベーションです。



スター誕生での新人発掘

レコードの版権ビジネスを持つ

新興芸能プロダクションへの人材供給して育成

局内の番組に出演機会をつくってバックアップ

音楽祭で局に貢献した人を表彰




という、一つひとつの点を見事な因果論理で
結びつけていきました。
しかも、その打ち手は、
全て手持ちの資源でできることばかりでした。
つまり、
飛び道具や必殺技を持たなくても、
それぞれの構成要素をしっかりした論理で
つないでいくことで競争優位を創造できるということ、

まさに、
これこそ、関連づける力であり、
戦略ストーリーであると言えます。

作家の小林信彦氏は、

井原は、ものすごく好戦的で、
アグレッシブに見えるけれども、
勝算がない戦いは絶対しない


と言っています。

ですから、このナベプロ帝国との戦いも、
単純に新番組で当てようという単発のものではなく、
戦いに完全勝利するために、
一つひとつの打ち手に、
一貫した戦略ストーリーを描いていたのです。

そして、
井原氏とそのストーリーの魅力で、
社内外の関係者の共感を得て、
仲間を巻き込んでいく
という、
善循環を生み出すことによって成功しているのです。

関係づける力の先には、
戦略ストーリーを描くこと、
そしてそれに共感する仲間をつくることで、
一つのイノベーション物語が生まれる
のです。

天崎 拝



◆今日出逢った素敵な言葉◆

飛び道具や必殺技を持たなくても、

それぞれの構成要素をしっかりした論理で

つないでいくことで競争優位を創造できる




井原高忠 元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学井原高忠 元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学
(2009/05)
井原 高忠、恩田 泰子 他

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