プロの学校

なんでもできる平均人(ジェネラリスト)より、これが強みだというプロフェッショナルを目指せ! プロの自分をつくる極意を伝授。 成長を続けるための「心・技・体」入門。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

素心深考

私は人に求められて色紙にサインする時、

「素心深考」と書く。

「素朴な心に帰って深く考え直せ。」と

私は自分に言い聞かせている。

          
             数学者、広中平祐




数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞している、
数学者広中平祐氏は、コロンビア大学教授時代の失敗経験から、
「素心深考」という自らの哲学を語っています。

広中氏はある幾何学の問題で、それを解く方法を見出し、
それをセミナーで発表しました。

その際に、参加したMITの教授から、
「君の理論は美しい。」という賞賛をうけました。

数学者にとって「美しい」と表現されるのは、最高の賛辞です。

イギリスの数学者、バートランド・ラッセルは、

「数学は、適切な見方をすれば、心理ばかりでなく、
崇高な美しさを持っている。

その美は彫刻のように冷たく厳かで、
人間の訴えるものでなく、また絵画や音楽のように
華やかな飾りも持たない。

しかし、荘厳なほどに純粋で、
最上の芸術のみが示しうる厳格な完璧さに到達することができる。」



と言っています。

つまり、数学も芸術と同じように、解き明かされた時には、
美しさを感じるほどの感動を得られるということだと思います。

数学のプロフェッショナルである数学者の目指しているものは、
単に問題を解くことではなく、
いかに美しく解くかが、大切だということでしょう。

広中氏は、その後2年間、自らの理論にこだわって研究に没頭しましたが、
最後は行き詰まってしまいます。

そんな時、ドイツ人の若い数学者がその問題を解いた
というニュースが入りました。

それも19世紀の数学者の定理を応用したと聞き、
広中氏は直観的に、どのように解決したかが閃き、愕然としました。

結果、2年を費やした研究が、すべて水泡に帰してしまったわけですので、
途方に暮れ、むなしさを感じる中で、冷静に内省をしたそうです。

その頃をこう振り返っています。


「美しい」と称賛されたことに気を良くした私は、
以後自分の方法に固執するようになった。

そして固執は偏見を呼び、その偏見にまた固執して、
そういう悪循環を繰り返すうちに、
ついには物事を新しい角度から観る態度が妨げられて、
ついに自分の偏見で一方的に観てしまい、
「この方法で解けなければ、現代数学で解けるはずがない」
という、巨大な偏見が私の中に形成されていったのだ。




私たちのビジネス中でも、
このようなことは起こっているのではないでしょうか。

わが社のビジネスデルは、こうあらねばならないという強い信念を持つこと。
その信念がなければ、ビジネスが成功することはありません。

しかし、世の中は、常に変化しています。

ですから、いかに優れたビジネスモデルであっても、
全てがそのままでよいというわけではありません。

しかし、そのビジネスモデルが、成功をしていればいるほど、
また、外部から評価され、賞賛されればされるほど、
本当にこれでいいのかと振り返ることはできなくなります。

そして気付かぬうちに、広中氏の言う、
「固執は偏見を呼び、その偏見にまた固執する」
というマイナスのスパイラルに、陥ってしまうのです。

冷静に第三者的に見れば、偏見に向かって突進し、
問題をこじらせ、迷路に迷い込んでしまうことになります。

以前、ヨーロッパに住んでいたときに、
家族で大きな公園に行くと、
植物の垣根の迷路がありました。

それほど時間はかからないだろうと考えて、
入ってみると、壁に突き当たってしまったり、
何度も同じ道を行ったり来たりして、
なかなかうまく抜け出すことができませんでした。

散々迷った挙句、やっと出口にでたときには、
全員、汗だくになっていました。

すぐ近くに高いテラスがあり、そこに上ってみると
先ほどの迷路が良く見えます。

上から俯瞰してみれば、
本当に簡単にゴールにたどり着ける道筋がわかります。

しかし、中では相変わらず、私たち家族と同じように、
たくさんの人たちが奮闘しています。

私たちのビジネスも、この迷路とよく似ています。

目の前にある問題だけを観ていると
なかなかゴールにはたどり着けません。

また、この道が正しいとこだわりすぎると、
失敗してしまいます。

大きな成功体験やそれが絶対であるという思い込みは、
ともすれば、素直な気持ちを失ってしまいます。

私たちが大きな失敗をするときは、それが原因となるのでしょう。

広中氏は、こう言います。


問題に対して、素直であり続けることができたら、
素朴な心を保てたら、私は原点に立ち返って、
自分の方法を詳細に点検したであろう。

素朴な心、「素心」を失わないこと。

創造の方法の基盤となるのはそれではないか。

そう思いついた時、はや黄昏迫っていた大樹の下で、
私は元気を取り戻したのである。



その後、広中氏は、数学界のノーベル賞といわれる
フィールズ賞を受賞するという偉業を達成しています。
そして、

私は人に求められて色紙にサインする時、「素心深考」と書く。

「素朴な心に帰って深く考え直せ。」と私は自分に言い聞かせているからである。

これもあの時の状況が、強烈に私の意識に残っていることの表れであろう。



・・・と言っています。


三国志演義の中で曹操が董卓に破れた際に、
負けて初めて知る事が沢山あった、
敗軍の将は大いに学ぶと言っています。

その後曹操が中原の覇者となり魏朝の開祖、
「魏の武帝」となりました。


素心: 素直な心で、失敗を認めること。

深考: 同じ失敗を繰り返さぬよう、
    次の勝利に繋げるためには、
    どうすればいいのかを深く考えること。



この「素心深考」は、
プロフェッショナルに欠かせない、
大切な素養だと思うのです。


生きること学ぶこと (集英社文庫)生きること学ぶこと (集英社文庫)
(2011/05/20)
広中 平祐

商品詳細を見る




今日の心技体は、いかがでしたか?宜しければ、クリックを↓

にほんブログ村 ベンチャーブログ 社会起業家へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


 RSSリーダーで購読する




関連記事
スポンサーサイト

| プロフェッショナルの心:仕事観 | 11:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://amazaki777.blog87.fc2.com/tb.php/87-caa23f39

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。